2011年4月28日木曜日

山元町・個人宅での活動報告

こんばんは。本部のEです。今日も山元町でのボランティア活動の報告をしようと思います。

今日は個人宅でのお手伝いについてご紹介します。

山元町のボランティアセンターには多くのボランティア依頼が来ています。そこで多いのが個人宅のお手伝いです。HARUでは山元町の社会福祉協議会と協力し、立ち入りの許可が下りている地域において個人宅のお手伝いを行っています。お宅へ伺い、泥かき、瓦礫の移動、家具の運搬、清掃などそれぞれのお宅のニーズに合わせた様々なお手伝いをしています。

先日伺ったお宅での活動を報告します。このお宅では津波が床上30cm程度まできたそうで、僕達が伺った時にはすでに畳が全て外されていました。この日の目的は床下の泥をかき出す事でした。
まずは、バールを使って床板を外すところから始まりました。初めての経験で最初は戸惑いましたが、家主さんやボランティアリーダーの方の教えにより、なんとか使いこなせるようになっていきました。僕は床板を外すスピードに少し自信を持てました。またこの際、木の粉が舞うためマスクとゴーグルの着用が必須です。自分は普通のマスクを着けていましたが、作業後にのどに違和感が残りました。もしもお持ちでしたら、内装用の防塵マスクを着用することをお勧めします。

床板を外し終わると床下の泥掻きが始まりました。床下にはもともと砂が敷いてあるのですが、今回の津波によりその砂の上に泥の層ができました。この泥はそのままにしておくと異臭を放ち、衛生的にも良くないため取り除かなくてはなりません。スコップを使って泥をバケツにすくい、屋外へ捨てます。この泥はどんなバイ菌や化学物質を含んでいるのか分からないため、非常に危険です。実際にこのお宅の子供が泥に素手で触れてしまい、翌日腕がかぶれてしまったそうです。泥かきをする際はどんなに暑くても絶対に肌を露出せず、ゴム手袋をして行わなければなりません。軍手の上にゴム手袋をつけている人が多いようです。自分もそうしていますが、やりやすいような気がするので、よかったら参考にしてください。

自分達が泥をすくっていると、家の子供たちがお手伝いをしたいと言い出しました。男の子にはバールを使って残っていた釘を抜いてもらい、女の子達には床の枠組みを掃除してもらいました。なかなか頑張ってくれる子たちで非常に助かりました。

今回のお手伝いはここまでで終了でした。傍から見ると床板を外したままで帰り、中途半端に仕事を終わらせたように見えるでしょう、自分達もこの状態で帰っていいのだろうかと心配でした。今回自分達についてくれたボランティアリーダーの方は、これまで個人宅のお手伝いを長くやってこられたそうなのですが、以前は自分達と同じような疑問を抱えていたそうです。しかし、ある日お手伝いに行ったお宅の家主さんから、

「いやぁ、きれいになった。頑張ろうっていう気持ちになれたよ」

と言われたそうです。家はとても住めるような状態ではありませんが、家主さんにとっては大きく前進したと感じてもらえたそうです。
リーダーの方は僕達に

「俺達が一つの家を最後まできれいにするなんてできるはずはない。俺達は家の方に頑張ろうという勇気を与えて帰ってこれたらそれで十分なんじゃないか。」

と言ってくださいました。

今回のお宅から帰る時、家主さんが、

「ありがとう。俺らも頑張るからね。近くに来たら寄ってけ。」

と言ってくださいました。本当にうれしかったです。
自分達の役割は、地元の方達が自分達の手で町を復興していくのを手助けすることなのだと、改めて実感することができました。


依頼者のご家族の皆さん、ありがとうございました。
色々ごちそうさまでした。
今度絶対に寄ります。

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東北大学地域復興プロジェクト"HARU"は、
東日本大震災からの復興支援・地域再生を目的として結成されたボランティア団体です。
現在は主に、仮設住宅での
支援活動をおこなっています。
東北大学の公認をいただいており、今後も地域に寄り添った活動を続けていく予定です。