2012年2月22日水曜日

山元町の声

こんにちは、
ブログを見に来ていただき本当にありがとうございます!
HARU
広報部の北澤です。

今日は、2月12日の山元町の仮設住宅へ行ってきたことを話します。
ご縁がありまして、神戸大学のボランティア支援室の藤室先生に誘われて、HARUでは2人の学生が、神戸大学の学生4人と一緒に活動することとなりました。

神戸から吹雪の高速道路の中を運転してきた先生は、すでに、戦いを終え帰還した兵士のようで。遠くから、こんなに応援しに来てくれること、本当に頭が下がる思いでした。

ところで、山元町といえば、HARUが去年の春に毎日バスでお手伝いに行っていた町。
私も、あの頃は一般ボランティアとして参加しておりました。


久しぶりの山元町。
この日は風がとてもとても冷たくて。
道中に見る海岸の風景は、空き地の中に空っぽの家をぽつぽつと抱え。
ガラスのはまらぬ黒々とした窓は今でも何かを訴えているようで。
もうすぐ1年がたちますね。

そんな景色を見ながらたどり着いた懐かしい役場前の駐車場。
私にとってはほとんど半年ぶり。
緊張半分、不安半分。

しかしそんな臆病心はすぐに消えることとなりました。
ボランティアセンターへご挨拶したときの皆さんの笑顔。
集会場で足湯の準備中、東北大学生が来たと、わざわざ会いに来てくれた職員さん。
彼らは笑顔で私たちを迎えてくれました。
『元気だった?』『また来てくれてありがとうね。』

この時の気持ちは、どうしても上手く表現できません。
涙を必死にこらえていました。


さて、この日の活動内容は『まけないぞう作り』と『足湯』のお手伝い。
私達は全て初体験!急いで、足湯マニュアルを読んでばたばた準備しているところに早速お客様が・・・!!
足湯をしている間に、お話をしながら手のマッサージをしていきます。
『やっぱりこうしてみんなが集まるっていいねぇ。』と、楽しそうにお父さん。
『この周りにある木はりんごの木なのよ』とかすれた声でおばぁちゃん。
『うちらは兄弟みたいなもんなんだ』と集まった人を指して自慢げにおじいちゃん。
『うちには大工も電気や配管屋もいるんだ。あと足りないのはオーナーだけだ』と談笑。
慣れない方言に一生懸命、耳を傾けました。

印象的だったのは、別の仮設住宅地かた遊びに来たお母さんが部屋に入ってきた時。
既に中にいた“まけないぞう”を作っていたお母さんと目が会った瞬間。
一瞬の沈黙の後、集会場が歓喜の声でいっぱいになりました。

『あんたここの仮設にいたの!』

住所も電話番号も解らないので遠方の友人にも連絡が取れない、などの話は聞いていましたが、近くに住んでいても、誰がどこにいるのか、分からないこともあるのです。
再会の場を作るお手伝いを出来たことは、私達にとっても大きな喜びでした。

まけないぞうは、一枚のタオルから作られるぞうのおてふきです。



色々なところで販売されているので、良かったら買って下さい^^。
神戸大学の学生さんたちは、おかあさま方から『先生、先生』と大人気でした。
裁縫男子、今後流行るかもしれませんね()

あるお父さんには、折り紙の箱づくりも教えてもらいました。
彼は家でお母さんに鍛えられているらしく、とても手早くパーツを折っていきます。
これは、12月に同じく神戸から来たおばちゃんボランティアさん達に教えてもらったそうで、不思議な人の繋がりを感じることとなりました。


最後の方には子供たちも遊びに来てくれて、童心に戻り真剣に追いかけっこをしました。一日はあっという間に終わり、最後は神戸大学の学生と一日の振り返りが行われました。

ボランティアはよく「継続的」であることが大事だと言われます。
大学が始まり、しばらく被災地から遠のいていた私は、行くまでは本当は怖かったですし、役にたてるのだろうかと、もんもんと悩んでおりました。でも、ただ悩み苦しんでいるだけでは答えは出ないんですよね。
神戸大学の皆さま、今回は声をかけていただいてありがとうございました。


そして、ここまで拙い文章を最後まで読んで下さった皆さん、本当にありがとうございます。
広報部ではHARUで進行中の3つのプロジェクト、さらには自分たちで参加した活動含め、これからも現地の様子を発信していきます。仙台に住む学生として、東北の事をみなさんに伝え続けて行きたいと考えています。
さて、教育支援、菜の花、図書館のプロジェクトに興味のある東北大学生のみなさん、そして現地の声を伝えたいと思っている皆さん、いつでも声かけて下さいね。

これからもHARUをよろしくお願いします。

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東北大学地域復興プロジェクト"HARU"は、
東日本大震災からの復興支援・地域再生を目的として結成されたボランティア団体です。
現在は主に、仮設住宅での
支援活動をおこなっています。
東北大学の公認をいただいており、今後も地域に寄り添った活動を続けていく予定です。